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Message from"nonnon"

 最近、キラキラと輝くバトンで演技をする機会を続けて頂きました。

 

 一つは『Circus Couture』。KAのアーティストであったエリカが、2010年に始めた、癌の子供の為に行われているチャリティ・イベントです。エリカとは同じ楽屋でした。終演後に衣装を脱ぐと、裸のままパソコンに向かい、イベントの準備をしている彼女の姿を見ていたので、第一回目を観に行った時は、涙が出ました。

 今回は『Gallereality』と題され、それぞれに名画が与えられ、それを演技や衣装で表現していくという企画。私に頂いた名画は、『Girl with a Pearl Earring』でした。英語で言われて直ぐに思い浮かばなかったのは、この絵は『青いターバンの少女』と思っていたからでしょう。調べると、ある時点で名前が変わり、『真珠の耳飾りの少女』となったようです。いずれにしても、“少女“なのに、声を掛けて頂いたのか、と思いました。

 曲は昨年に決めていたのですが、振付はほとんど進んでいませんでした。私は振付に時間が掛かるので、約1ヶ月半で本番というのは挑戦でもありました。

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私が選んだ曲を作った友人は、この為にわざわざレコーディングをしてくれました。YouTubeで見付けた彼女の曲を、綺麗な音楽で演技が出来るのは本当に有り難いことでした。しかし、本番の三週間ほど前に送られてきた完成曲を聴いて叫びました。彼女の弾き方がまるで違い、私には、全くと言って良いほど違う曲に聴こえたのです。一瞬落ち込み、叫ぶだけ叫び、時間も無いので直ぐに立ち上がって仕上げていきました。

 衣装は、プロの方が作って下さいました。打ち合わせの為に、なんと彼女はオクラホマ州から17時間ドライブしていらっしゃいました。『Circus Couture』のCoutureは、オート・クチュールのクチュール。このイベントでは、その年のテーマに合わせた衣装を着てランウェイを歩くファッション・ショーもあります。毎年このイベントに関わっていらっしゃる彼女。前日まで衣装を着ての練習が出来ないのは心配ではありましたが、何があっても大丈夫と思えました。

 本番前日のリハーサル。自分が“絵”になっているところから、ステージまでは10歩から15歩ぐらいと言われていましたが、50歩ほどありました。ステージの周りを囲むようにお客様が座ることになるので、360度意識するようにとも。照明合わせのリハーサルは、仕込みが遅れて深夜0時頃になりました。いろいろありましたが、それでも大丈夫だろうというところまで準備は出来、安心して帰宅しました。

 ところが本番の日、通し練習で流れた曲が短く、一気に安心は消えました。昨晩はその曲で照明合わせをしたのに、何故?急いで確認をすると、彼らの手違いは分かり、でも、もう直せないということで、本番は短い曲が使われることになりました。長い曲でもステージまで走る勢いで行かないと間に合わなかったのに、8秒短くなったら行き着けるのか。その後直ぐに開場で、その場で練習出来ないこともあり、パニックになりながら本番まで調整しました。

 私が使うステージは、プールの中に設けられている5メートル×5メートルほどの小さな空間。いらして下さったみなさまが、そこから始まるショウの中に自然と入っていかれることを願いながら、一番目に演技をしました。日没後の薄暗い中、ライトを浴びたバトンはキラキラと輝き、それだけで綺麗だったのでは、と思います。

2時間後には何の心配もないフィナーレ。誰もが笑顔の素敵なイベントでした。

 今回は規模が小さかったので、クリス・エンジェルさん(米国の著名なマジシャン)はいらしていないのでは、と思っていましたが、フィナーレで待機していると、彼がステージに立ち、お話ししているのが見えました。そして彼は10万ドルの寄付を。それもあり、最終的には25万ドル、日本円にすると2500万円以上集まったようです。

 エリカが始めたこのイベントは、こんなに大きくなりました。数年前に『Circus Couture』から退いたエリカですが、創始者として、その後もイベントには出席していました。しかし、今年は欠席。11回目にして少し踏み込んでお手伝いさせて頂くことが出来た私でしたが、エリカには会えませんでした。それだけが残念でしたので、素晴らしい経験をさせて頂いたこと、彼女に報告しようと思います。

 二つ目は、昨年お亡くなりになられた水野啓子先生のお好きだった曲、『千の風になって』の演技でした。曲はBGMで40秒ほど、と言うことで、先生がお好きな青、ラスベガスの青い空の下で演技をすることにしました。   公園に行くと、カメラの位置を決めるのに何度か踊りながら振付も調整していきました。そして、しばらくすると演技が終わった時に涙ぐんでいる自分に気付き、いろいろ気付かされました。そして、水野先生のことを思いながらバトンをさせて頂ける時間を与えて下さったのだと言うことにも気付き、改めて感謝しました。

 曲がBGMと言うことでしたので、公園では曲も掛けずに風に揺られて演技をしていました。帰宅して映像を曲に合わせてみると、思い掛けずよく合います。水野先生が見守って下さっていたのだと本当に思いました。画面を見ていると、鳥さんが飛んでいました。ほら!いらして下さったのです。

 偲ぶ会にいらした古谷野先生に、私の演技がラストだったと教えて頂き、少々心配になりました。曲を聴いた時、最後の演者になったら、この伸びに合わせないとBGMといえども、気持ち良くない気がしていたのです。でもきっと最後ではないだろうと…。終わってしまったことですが、音を付けて確認せずにはいられませんでした。それから、演技はくり返しになりますが、曲の初めと終わりを使って一つの作品に仕上げられると気付き、編集をしてみました。大変お世話になった水野先生に捧げる、私にとってもお気に入りの作品に仕上がりました。

二週続けてキラキラのバトンを週末に回した後の週末は、発酵あんこを作り納豆を作りました。小豆と大豆ではなく、持ち合わせていた黒目豆で作ってみました。この時焼いたパンが上手く膨らまなかったのは、強い納豆菌がパンに入り込んだのかしらなどと思ったり。

 今年も種まきをしましたが、発芽率が低いのです。まるで、仕事が始まった私に忙しくさせないようにしてくれているかのように。

仕事が始まったらのんびりした生活は変わるだろうと思っていましたが、コンポストは続けられていますし、最近はお米をオーガニックにしたので、お米をつくと出る小さじ一杯もない米糠をぬか床にする為に集めたり、米のとぎ汁を発酵させてみたり、ベランダで勢いよく伸びたビーツの葉を収穫して食べたり、小さな楽しみは思いの外、続けられています。

 

2022年4月29日

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お蔭様で予定通りにKAは再開されました。

ワールドプレミアの時と同じように、身内から少しずつお客様を招いて通し練習をしていたので、再開の11月24日もその流れで私は普通に出勤したのですが、劇場に入ると雰囲気が違い、“特別な日”に緊張が走ることになりました。

 

 ショーに出演する毎日を過ごしていたある時、

「あれ?まだ再開から一ヶ月…⁉️」と。

様々なことがあり過ぎて、もっと日が経っていると思っていたようです。そして、その頃から欠勤者が増え始めました。出演者に新型コロナウイルス感染者が出ると、急に広がりました。毎日毎日お休みが増え、最高16人欠勤にまでなりました。やむを得ずカットされるところも多く、演出が毎日のように変わり、急にリハーサルが入る日々。一度は、ショー開始を15分遅らせて、直前に調整しなければならない時もありました。初めの場面、中国武術の出演者が一人にまで減ってしまった日には、どうなることかと思いました。

それでもKÀは良い方で、他のショーは20人、30人とお休みをしていたようです。

18ヶ月、パンデミックの実感なく暮らしておりましたが、ここへきて、世の中で起きていたことを目の当たりにしました。

12月30日から、ショー中のマスク着用が義務付けられましたが、KAは、その前から自主的にマスクをする人が増え、感染が少なかったのでは、と今は分析しているようです。

 人が多く入れ替わっているので、裏方さんを含め、新しい役目が与えられた人のために教えたり、教えている場面に居合わせることが多くなりました。その中でお互いの思いやりに改めて気付き、これがKAのチームワークの良さに現れるのかと感じています。そして又、良いエネルギーが感染を抑えていたのかもしれません。

最近は落ち着いてきているように思います。ピークは過ぎたと言いたいところです。

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そんなこんなで、年末年始は慌ただしく過ぎました。

遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。

 

 私はお蔭様で元気です。リハーサル期間中に自転車通勤のリハーサル?も出来たので、自転車通勤に戻すことも出来ました。辛いことと言えば瞼。付けまつげの糊で赤く腫れています。その次が指先のひび割れ。いくら気を付けても、乾燥で割れてしまいます。今は6カ所切れています。動かさなくてもドクドクして痛いです。

 

 ショーを終え、帰宅をすると12時間後に出勤するという毎日。家では必要なことのみして、あとはショーの為に費やせるのは幸せなことだと思います。しかし、もう少し余裕があるようになると良いのかしらと思っています。

少し蒔くのが遅くなってしまったトマトの種。夏の暑い時期は成長を止めじっと堪えているようでした。涼しくなるとまた成長を開始し、冬の寒い中花を咲かせ、実を付けました。今は直径1センチくらいになっています。

 

 ラスベガスは熱い砂漠のイメージが強いですが、冬は氷点下にまでなります。そこを耐えて実を付けたトマトをのんびりと眺めたいですし、頂くメッセージにも時を置かずお返事したいですし、いろいろやりたいことはありますが、今はまだショーの為に時間を費やす必要があります。やりたいことは休日に。

ショーの日々も休日も毎日が楽しく幸せです。有り難いことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年1月20日

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11月24日にKÀの再開が決まり、トレーニングが始まりました。のんびり暮らしていたので、先ずは遅刻しないで出勤出来るかドキドキして、とんでもなく早く着いて、外で時間を過ごしました。

コロナ対策の為、好きな時間に出入りすることが出来ないのです

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第一日目はコロナのお勉強。その後は一日四十五分のトレーニングが基本です。クリエイション時は、モントリオールでは、朝八時から夜の十時まで。ラスベガスに来てからも朝九時から夕方五時までリハーサルをしていたので、そう言う感じかと想像していましたが、とてものんびりとした始まりです。

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舞台の確認で舞台に上がるまでのドキドキは、朝のそれとは違います。機械の確認はしていたようですが、私が踊る舞台の問題はマットにあったようで、新しい物に変更して良いかの確認でした。

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衣装のことを心配していました。急に公演が中止になったので、手入れをしないまま置き去り状態の衣装は、特にゴムがダメになっているのではないかと。衣装の確認をすると、やはりゴムが弱くなっているものが複数ありました。

お化粧の復習は、真っ新な自分に戻り、手順を見ながらゆっくり時間を掛けて行いました。塗り絵みたいな感覚と言いましょうか、楽しかったです。

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オリジナルのアーティスト数名含む、十四名のアーティストが抜けてしまい辛いところですが、新しく入る方々のエネルギーが加わって、新たな出発、良い再開が出来ると信じています。

2021年9月30日

ラスベガスは、6月1日から規制がほぼ解除され、入場や入店の人数制限が無くなり、シルクのショーも6月末から一つずつ再開されます。

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*水が撒かれた直後の芝を歩きました。*

最近ネバダ州は、ミード湖の水位の低下が深刻のようで、水を無駄に芝に撒くことを禁止する法律が制定されましたが公園は対象外のようです。

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*木漏れ日の中ゆらゆら揺れるシソを見ていると幸せでいつまででも眺めていられそうです。*

今年種を蒔いたバジルとシソが良く育っています。蛇口から出る水の温度を調整しながら、水遣りに一時間から一時間半掛かります。

*小さな種から育てた命を有難く頂きながら、のんびりと幸せな毎日を過ごしています。*

昨年から育てている天然酵母もずっと元気で、その酵母で毎日パンを焼いています。最近、サワードウにロイテリ菌が含まれることを知り、今まで元気に過ごせたのはこのパンのお蔭だったのかもしれないと。

 

来週は、最高気温が46度まで上がるようなので、焦げないように気を付けて、みんなで元気に過ごしたいと思います。

2021年6月11日

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